たすくシリーズ - コミュニケーションカードによる生活支援アプリ -
たすく株式会社 齊藤宇開 拝
TASUCは,「子どもたちの挑戦の機会と再挑戦の機会を!」を合い言葉に,一貫性と継続性のある学びの環境づくりのために,個人別の課題学習を中心に,学習内容や教材開発を行っている教育・療育機関です。
この度,子どもたちに大変人気のあるたすくオリジナル教材の「たすくクロック」がスマートフォンに対応して生まれ変わりました。スマートフォンは,「ワーキングメモリ」と呼んでいる学習のための最も大切な能力を補いながら,学習を進めることができる画期的なツールです。ワーキングメモリとは,文字どおり,パソコンのメモリと同じ,一時的に記憶に留めるための「短期的な記憶」の一種です。
「たすくクロック」は,時計の学習を始めたばかりのお子さんや,なかなか時計を読むのが定着しないお子さんに,特に効果があります。
予定の電車に乗り遅れないよう駅の構内で,時計を探し当てた瞬間を思い出してください。まずは時計を眼で見て(視空間メモ),○○時(音韻ループ)と心の中で唱えます。その記憶を一時的に留めながら,予定の電車の時刻と引き算し,急ぐかゆっくり歩くかを決断するでしょう。つまり皆さんの頭の中で時刻が一時的に留まることで,判断や決断,余裕やあきらめなどの,心の在り方が決定するのです。そういった意味で,「ワーキングメモリ」の能力を高めることは,最も大切な能力と言うことができます。
「たすくクロック」は,下部にある時計を選択して,上部の時計にマッチングすることで,しっかりと対象を見続ける能力が身につきます。またマッチングした後にタップすれば,「○○時」という声を聴くことができるので,読み方を学習中だったり,お話しが苦手だったりするお子さんが,いずれ,心の中で唱えることができるように導くことを目指しています。
操作性もスムーズで,とても気に入りました。無駄な刺激はできる限り減らして,硬派なアプリにすることで,学習に特化した教材に仕上がりました。皆さんからの反応が今から楽しみです。「たすくクロック」をどうぞよろしくお願いします。